施策立案の事例(Googleアナリティクスのアクセス解析)

この記事は下記のような人におすすめ!

  • Googleアナリティクスを効果的に活用したい
  • Googleアナリティクスの解析を実務に落とし込みたい

本記事からできることは次の通りです。

  • Googleアナリティクスの見方
  • Googleアナリティクスの数値から、実際の施策へ反映するやり方

いくつかの具体的な事例をもとに実際の施策立案を明記しました。

Googleアナリティックスの分析方法を知ったとしても、サイト改善につながるとは限りません。課題発見からサイト改善をマーケティングの一環としてどのように行うのか、施策立案に至る過程を学習していただきます。

それではどうぞ!

事例1:プロモーションの時期

シチュエーション

地方の旅行会社のサイトで、〇〇遊園地の旅行を企画しました。旅行会社では多くのユーザーを獲得するべく、プロモーションの予算2回分を獲得することができました。予算を効果的に使うためにはどういった方法が適切なのか話し合うことになりました。

課題
  • プロモーションの予算2回分をどのタイミングで使うか?
  • 根拠となる数値はなにか?
施策例

Googleアナリティクスの結果から、6月~8月、10月~1月のアクセスが特にSEOから流入し、増えているのが確認できました。夏休みや冬休みを見越して、6月あるいは10月から〇〇遊園地の旅行を企画しているのが想定できます。

そこで、サイトの流入が増えだす時期の6月、10月の前の月にあたる5月、9月にプロモーションの予算を使うことになりました。

これまで経験則でプロモーションをしていましたが、アクセス解析の結果といった明確な根拠をもって実施することができるようになったのです。

事例2:プロモーションの時期

シチュエーション

〇〇会社では、自社のブランディングのためにサイトを立ち上げました。サイトに多くの人たちが訪れてもらうためには、エンゲージメントを高めることが近道であるとサイトの制作担当者は考えました。

課題
  • エンゲージメントを高める指標は何か?
  • その指標を改善するための施策は?
施策例

エンゲージメントを高める指標の一つに、滞在時間があります。一般に滞在時間が長ければ、長くサイトを見ていると考えられるからです。

具体的な施策としては、動画を掲載することが挙げられます。動画が流れていると、何となく動画を見てしまうことはありませんか?そうして結果として長く滞在することにつながります。他のページやコンテンツを見つけるきっかけとなるかもしれません。

ただし、注意が必要なのは、滞在時間が長い方が良いとは言えないこともあります。例えば、そのページがランディングページとなることが多ければ滞在時間が短いのは当然ですし、平均セッション時間が長ければサイト内でユーザーが迷子になっている可能性もあります。
そのため「滞在時間」を分析する際には「相対比較」や「施策の前後比較」などが重要になってくることは考慮にいれておきましょう。

尚、「平均セッション時間」=「平均滞在時間」ではありません。下記に用語説明を明記しました。

  • サイトの滞在時間を表す「平均セッション時間」
  • 1ページあたりどの程度滞在していたかを表す「平均ページ滞在時間」

事例3:Webサイトのアクセス数を増やしたい

シチュエーション

オウンドメディアサイトを運用する〇〇メディアでは、コンテンツにはダイエットをテーマにした記事を取り揃えています。課金記事もあり、課金してもらうためにもアクセス数を増やしたいと考えました。

そこで、Webサイトのなかで一番読まれている記事は何か、アクセス数が多い記事は何かを把握することにしました。コンテンツにフィードバックし、記事を改変することでアクセス数を増やす試みです。

Googleアナリティックスの「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべのページ」

トップ10は次のような傾向がみられました。

  • トップページや会社プロフィールは上位にランクイン
  • 検索結果からのアクセス(自然検索)から多く流入
  • ダイエット特集記事「糖質オフの一週間の献立はこれだ!!」のPVは全体の8.7%で第2位
課題

特定のページではなく、Webサイト全体のアクセス数を増やすにはどうするか?

施策例

Googleの検索からの流入が多いことから、Googleの検索結果において上位に表示されている可能性が推測されます。またGoogleの検索エンジンは、そのカテゴリについて詳しい情報を持っている=関連するコンテンツを多く持つサイトを評価するようになっています。

したがって、関連するキーワードをテーマにした記事を掲載すれば、アクセス数が増えると考えられます。例えば「糖質オフ」に関連するキーワードが人気であるならば、「コンビニおすすめ糖質オフ」「季節の糖質オフ献立」など、人気の高いキーワードをもとに記事をシリーズ化することができます。

事例4:メルマガを配信する時期

シチュエーション

メディアサイトとECショップを運営する〇〇ニュース会社は、プロモーションの一環としてとしてメルマガを発行しています。

課題

それぞれ1日1回発行する予定ですが、最適な時間帯はどう設定するか?

施策例

時間別アクセス数を解析してみました。今回のメディアサイトの場合はサイトへの訪問数の盛り上がりは3回あり、それぞれ朝の9時~10時、昼の12時~13時そして夜の22時~23時でした。ECサイトは、昼の15時~16時そして夜の22時~23時でした。

まずニュース系のメルマガを考察してみます。ニュース系のターゲットはサラリーマン。出勤時、電車や車通勤でも会社のデスクまでのわずかな時間メールチェックする余裕はあると考えられます。あるいは昼時にランチを食べながらもあるでしょう。夜は帰宅後、寝る前の時間帯にチェックしていると想像できます。

ここで1日に1回送信する時間帯の最適解はどこにあるでしょう?

夜はすでにニュースをチェックした朝と昼のユーザーを逃してしまいそうです。担当者は盛り上がる前の朝8時を選択しました。

ECサイトを考察してみます。ECサイトのターゲットは、家庭で財布の紐を握っている主婦層をターゲットにしてみましょう。

朝のあわただしい時間を経て、ようやく一息できる時間帯が15時~16時と想像できます。夕食をつくって、ようやく寝る前の時間帯にチェックしていると想像できます。

担当者は、15時~16時に他のECサイトも見て比較検討していると想定し、寝る前のゆっくりした時間帯に、夫婦で相談して購入していると想像してみました。結果的に、担当者は盛り上がる前の夜21時を選択しました。

ターゲットユーザーの行動を徹底的に分析、想像することで適切なWebマーケティング施策の立案をしていきましょう。

事例5:広告費の抑制

シチュエーション

BtoBの事業を国内展開している工具〇〇商会は、広告出稿をしました。結果、アクセス数が伸び、売上も上がりました。ところが、担当者がアクセス元を解析すると、国内だけでなく、海外からも多くのアクセスに不信を持ちました。

課題

海外からのアクセスの原因を追究したい。

施策立案

アクセス元を解析してみると、日本国内だけでなく、海外にも設定していることが判明しました。商品は国内向けのため、海外の設定を見直し、無駄な広告を抑制することになりました。

アクセス解析する場合、普段の数値と異なる数値を発見した場合、「事象の発生した時間や瞬間」→「流入元の解析」の順で調査していくと仮説を立てやすくなります。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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